デジタルレンズオプティマイザがポートレートに与える影響

 

 

EFユーザーの方の中には、昨年DPPに導入されたデジタルレンズオプティマイザ(以下DLO)に驚かれた方も多いと思います。 ニコンがD800で高画素化から遠景に対する答えを出した一方で、キャノンは画像処理で一つの答えを提案してきたように思えます。   

風景を専門に撮影される方は、D800の高画素化やDLOの解像処理を称賛されていますが、果たしてポートレート撮影にDLOの意味があるのか検証してみました。

 

レンズはDLOに対応しているEF 70-200mm F2.8 IS II ボディは5DmarkIIIを使用しています。露出を+0.5EVにした以外はすべて撮って出しの設定で、

WB:撮影時設定 

ピクチャースタイル:オート 

コントラスト/ハイライト/シャドウ:±0 アンシャープ:強さ(3) 細かさ(7) しきい値(1)  

画角:110mm  f/2.8 ISO;100です。

 

ちなみに写真はこちらです

 

撮って出し

 

 

 

 

   RAW現像時にDLOの補正値をスライダー調節で50  70  90と変化させ、ピント合焦部の顔のみをトリミングしたものが下の画像です。画像をクリックして拡大します

 

結合

 

 

ネット上の評価を見ると、DLOのスライダー限度は80前後までと仰っている方が多いですが、確かに90まで調節するとポートレートにしてはエッジが立ちすぎてしまいます。 限度は70~80といったところでしょうか。正直なところ、一番好みはDLO:50かDLO補正無しです。

それはさておき・・・結果としてDLOの効果が全く感じられない!!です。 もともとDLOは回折現象対策をメインに開発されているようなので、ある程度まで絞って小絞りボケを起こさなければ効果が実感出来ないのと、シャープなレンズを使った場合、補正前から解像感が高いために効果を実感し辛いのでしょう。

 

雑感として手持ちの24-70mmF2.8II&24-105mmF4&70-200mmF4IS&70-200mmF2.8ISIIにDLOをかけると、F4通しレンズの場合開放でも遠景にかなりの解像感が現れますが、24-70mmF2.8IIや70-200mmF2.8ISII 等のシャープなレンズを開放で使うと効果が薄いようです。時間を見つけて他のレンズも試してみたいと思います。

 

135mmF2等古のレンズが屋外ポートレートに多用されている現実を見ると、シャープさや解像感はある一定のレベルを越えると、屋外の人物撮影に求められていないのかもしれません。景色を写した写真をDLOで現像すると薄いモヤが取れたような解像感が得られて感動しましたが、世の中そんなに甘く無いようです。スタジオ撮影では、また違った印象なのかもしれませんね。




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