6D レビュー 感想

2ヶ月程前に導入した6Dをレビューしたいと思います(長文申し訳ありません)。

現在、EOS機は5Dmark2 6D 5Dmark3を使用していますが、このカメラは他社機種や上位機種と被って・・・或いはメインカメラなのかサブカメラなのかに依って、色々と評価が別れる気がします。
50D以降、キヤノン一眼ミドル機をほぼ全て(50D 60D 7D 6D 5Dmark2 5Dmark3)使用してきた経緯がある為か・・・5D3,5D2,6D,D600(追記D610) どれを購入したら良い?という旨のメールを何通か頂きましたが、その点を踏まえてレビューさせて頂きます。

6D MP100

 6D makro plannar 100 ZE

【6Dの良いところ】

1.軽い

フルサイズ機としてこのサイズは驚異的です。SONYのRX1系にも衝撃を受けましたが、レフの入ったフルサイズ一眼でここまで小さく出来るのかと感心しました。レンズの関係上、ミラーレス機程持ち運びには適しませんが、40mmF2.8 STMとなら毎日持ち出せると思います。 大型センサーによる撮影環境を選ばない便利さは、M4/3やAPS-Cミラーレス機と比較して大きなアドバンテージがあります。 40mmF2.8 STM+270EXII+6D これに85mmと広角合わせて3本を持ち歩けば・・・ 特殊な用途以外事足りるのかもしれません。

2.静音性

通常ドライブのシャッター音は『パッコとシャキッの間』みたいな音です。Nikonレフ機の『カカッ!!』という音が個人的には好きなので、もう少しキレが良く5DmarkIIIの『ジャキッ!』という音を期待してしまいますが、その分6Dのシャッター音は通常ドライブでもかなり静かです。静音(連射)ドライブにすると、更に静かになります。5DmarkIIIの静音シャッターにも驚きましたが、6Dでもその静音性は健在です。 コンサートや演劇等役立つシーンは多いはずです。

3.暗所のAF性能(-3EV)

かなり暗い所でも合焦します(-3EV中央対応)。屋内&夜間での撮影に力を発揮しそうですが、5DmarkIIIの-2EVとスピードライトのAFアシスト使用で困った事が無いので・・・何に使えば良いのかちょっと解らない面もあります。

4.縦位置横位置自動AFポイント切り替え

6DはAF性能が弱く主にMF専用機として導入した為、AFポイント自動切り替えが搭載されていたのは嬉しい誤算でした。6Dで静物を撮影する際には結局のところ、『中央1点のみ』か『最端測距点』か『MF』しか使わないので、これはとても助かります。

5.最低限の機能と高感度

5DmarkIIIと比較すると画素が僅かに少ない分、若干6Dの方が感度ノイズに強いと感じます。また、SS低速限度設定やISO範囲設定、UHS-1SDカード、新型ストロボ対応、マイクロアジャスト等、基本的な機能はしっかり搭載されています。

※追記※6.連射のバッファストレスが少ない

UHS-1SDカードの中でも評価の高いエクストリームプロ(sandisk 90MBs)を使用した場合、コマ/秒が少ない(4.5枚/秒)事と合間って、バッファに余裕を感じます。連続撮影17枚(UHS-1使用時)行けるとの事ですが、スペック以上に頑張ってくれる印象です。5Dmark3は連続18枚ですが連射速度が速い為、6Dは5Dmark3よりも長時間連射し続けられる計算になります。ただし連射速度が遅い為、スポーツや車を撮影する時には『数撃ちゃ当たる』が通用しません。

IMG_1268

6D+135mmF2

【6Dのイマイチなところ】

1.クロスセンサーが中央のみ

5Dmark2と比較すると、中央以外のAFポイント合焦率は確実に上がっています。しかし5Dmark3と比較すると、中央AFポイント以外の合焦率が少し低い(Canonサービスセンターでボディ対レンズ調節済み、70-200F2.8ISII  85L 135L比較)です。具体的にカウントしている訳ではありませんが、体感5Dmark3の中央以外クロスセンサー部合焦率を95%~98%とすると6Dのラインセンサーは85%~90%位の合焦率と感じます(大口径レンズ開放~1段絞り付近) 。ハロやボケを楽しむ場合は良いのですが、6Dを使ってシャープな大口径レンズをAFで楽しむ場合、ピン外しが気になるかもしれません。 元来キヤノン機はニコン機よりも、AFスピードが速いけれどジャスピン率が低いという傾向があった為、1DXと5Dmark3で刷新されたAFシステムの、合焦率の高さに大喜びしたものですが、同程度の合焦率を6Dのラインセンサーに期待するのは難しいようです。センサー配列も千鳥格子タイプではない為・・・なんというか、カメラの差別化を図るキヤノン故の難しさですね。

大口径単焦点をフルサイズ機で使用する場合、中央以外のAFポイントの信頼性が高くなければ、コサイン誤差との戦いになりますが、コサイン誤差でユーザーを苦しめた5Dmark2の経験が活かされてないのは少し残念でした。幸いフォーカシングスクリーンをスーパープレジョンマットに変更出来るのでMF追い込みが可能ですが、6Dを購入する層にMF追い込みを求めるのだろうかと・・・ 格子配列と全点F5.6クロスは搭載して頂きたかったです。次モデルに期待ですね。

 

江ノ島8

6D+sigma 50mm

2.AF配列からデフォーカス復帰の迷いが生じる事がある

純粋なAF速度自体は5Dmark3とほぼ変わりません。EOS機のAF速度の優秀さは健在です。ボディ間のAF速度差よりも、当然レンズに依るAF速度差の方が大きい位ですが、厳密にAF速度を考えると、6Dの場合大幅なデフォーカスから復帰する時に、もたつく事があります。迷っている間だけ5Dmark3よりもAFが遅いです。この違いは、クロスセンサーをほぼ全ての点に千鳥格子配列した5D3と、ラインセンサーをAFポイントのみにスポット的に配列した6Dの配列に依る違いだと思います。真っ白な壁にAFすると顕著に感じるのですが、AFの掴み易さ&デフォーカスからの復帰の速さには結構な差があります。とはいえ、2013年現在、他マウントやミラーレス機よりも、EOSの位相差は速度がかなり速いので・・・合焦率は兎も角、デジタルカメラとしてのAF速度は・・・圧倒的に速い部類です。

3.メニュー設定が煩雑

メニュー設定には定評のあるCANON機らしからぬ仕様だと感じています。5DmarkIIIでは大項目をQボタンでスキップ出来るので、複雑化したメニュー設定も快適に変更出来ますが、6Dは設定項目自体が5DmarkIIIより少ないとはいえ、全ての設定を一巡するのに何度もボタンを押さないといけません。

4.マルチコントローラーの使い勝手がイマイチ(60Dと同系統)

マルチコントローラーは60Dの操作体系が踏襲されていますが、スティックタイプ(7D 5D系)の方が操作しやすい印象です。通常使用において、6Dのマルチコントローラーが決定的に使い辛いとは思いませんが、全体的に反応性が欠ける点と、縦グリを6Dに装着した際シャッターボタンに人差し指を置いたままの状態では、マルチコントローラーの最端部まで親指が届かない点の、以上2つが不満に感じています。また、AFポイントの回る順番は60Dから変更されています。

露出6D+135 F2 L USM

5.画質について

jpgは5Dmark3/6Dともに使用していませんが、RAWをDPP LR PHで現像した際に5Dmark3比較で絵作りに違いがある気がします。 5Dmark3と同じ絵だろうと思って6Dを組み込みましたが、200万画素の違い&AF性能の違い故か、5Dmark3と6Dを比較すると・・・上手く表現出来ないのですが、何かが違います。 5Dmark3と6Dは両機とも、5Dmark2の様な線の細い絵というよりも、線を僅かに太くしてクリア感を優先した描写傾向である。という点では一致していますが、その5Dmark3と6Dの間にも違いがあるような・・・  モニターで等倍ピクセル確認して初めて気付く程小さな差ですが、線の太さというか光の加減というか・・・DPP現像ではフォルト設定が6Dと5Dmark3では違う設定になっているという事は理解していますが・・・6Dの絵は5Dmark2や5Dmark3と違います。 

厳密な比較画像等はありませんが・・・同じレンズを付け替えて画像を比較すると、差を感じます。気になる方は価格.comの歴代5D系と6Dの画像比較レビュー企画を御覧ください(コチラのサイトです)。  価格.comのレビューでは5D3と6Dは同等と表現されていますが・・・自分は2ヶ月程使ってみて、違うと感じています。

IMG_2699

6D+135mmF2

【6Dの評価が分かれそうなところ】

1.連射速度が最高約4.5コマ/秒

2.シングルスロット(UHS-1SDカード対応)

3.エンプラボディ(一部)

4.シャッター限度1/4000

5.ストロボ同調限界1/180

6.DRがソニーセンサと比較して若干狭い

7.視野率97%

8.GPS Wifi内蔵

9.シンクロ端子、ヘッドホン端子が非搭載

以上の点は使用される方の環境&好みの問題&アダプタ使用の有無による違いと把握していますが、SS1/4000はD600と同じとはいえ・・・1/8000を実現して頂きたかった気がします。ISO50を使用してSSを遅くする事も可能ですが、キヤノン公式の見解として『ISO50時はDRがかなり減る』との事なので・・・NDフィルターの持ち歩きは面倒です。

 

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6D+sigma 50mm

【他機種と比較して】

D600との比較

レンズ資産が無い方はD600と6Dで迷われると思いますが、違いは『AF性能』『視野率』『連射』『シンクロ限界』『動画HDMI出力』『動画録画時間限界』『SDダブルスロット』『ヘッドホン端子の有無』『Wifi/GPSの有無』『ストロボ内臓の有無』となっています。このうち、連射に関してはD600の方が良いですが、D600はバッファに問題があるので同程度と考えられます。ストロボの有無とヘッドホン端子、Wifi・GPS等に関しては必要な方には便利な機能ですが、実際大半の方には影響が無い部分です。D600も6Dもアダプターや外付けが用意されているので追加すれば機能として問題ありません。

大きな違いはAF性能、視野率、ダブルスロットの3点ではないでしょうか。これに関してはD600の方が有利です。デザインやメーカーに拘りが無ければNikonのD600を薦めます。6Dのカメラとしてのコンセプトは素晴らしいですが、写真を本格的に初めようとされている方に全力でお薦めできる機種ではありません。

センサーとレンズ対エンジンバランスの傾向から、キヤノン機はポートレートに向いていると言われていますが、D600の出来上がった写真の傾向は、これまでのニコン機と違って記憶色寄りの味付けになっている為、人物を撮る場合にも絶対的にどちらが良いと言い辛いです。センサーエンジンバランスで6DとD600を決める物では無いかもしれません。

D600は2,3回触った程度なので、実際に使ってらっしゃる方のレビューを参考になさって下さい。

※2013年11月追記

D600の実質的な後継機として、D610が発売されています。 連射速度が6コマ/秒に増えた点と、AWBがより忠実再現に近づいた点が更新ポイントと謳われていますが・・・ 実質はダスト問題の対策でしょうね。D600は発売から暫くして、欧州等でセンサーへのゴミ付着が騒がれていた為、シャッターユニット等を変更して不満が出ないようにしたモデルがD610であるというのが一般的な見解だと思います。 メカの信頼性に定評のあるNikonだからこそD610を作ったと言うべきか、Nikonには珍しいメカ問題&スルー対応と言うべきか・・・ 今から廉価フルサイズを探す方は、D610 6D α7(R)等が同価格帯になると考えられます。 ミラーレス&クラスの違いこそありますが、それぞれのカメラに良し悪しがあります。個人的にはD610が良いかと・・・携帯性ならα7(R) 、デザイン性や飛び道具(Wifi GPS)で6Dといったところでしょうか。実機を気に入ったカメラが一番良いと思うので、一度触られてみて下さい。

 5DmarkII 5DmarkIIIとの比較

5D2との比較では、SS1/4000、新型アクセサリーへの対応、ボディ内レンズ光学補正の対応がネックになると思います。 5D2と6Dはあまり価格も変わらないので、より高感度に強く新型アクセサリに対応し、GPS Wifiが搭載された6Dの方が良いかもしれません。 SS1/8000が必要で、5Dmark2の絵をどうしても気に入ってらっしゃる方は中古5D2を薦めますが、AF性能は全体的に6Dの方が良い&ミラーショックも軽減されています。

5Dmark3と比較すると、GPS Wifi 暗部AF、重さ 以外の点で5DmarkIIIに分があります。特に操作感とAF性能が大きな違いです。 高感度は若干6Dが強い気がしますが、ISO100~800と超高感度域では、ほぼ一緒の印象です。実売価格が5Dmark3は高いので、価格との折り合いと考えられます。

大使館26D+Distagon T* 1.4/35 ZE

【結論】

カメラ選びの基準として、触ってなんとなく好きなカメラが一番良いカメラ。 この鉄則はデジタル全盛期に突入しても全く変らないと思います。使わなければ意味がありませんから・・・6Dはとても良いカメラです。でも、レンズ資産が無ければD600(追記 D610)を薦めます。 6Dはキヤノンに『使う側にとっては、売れているカメラが良いカメラでは無い』という事を理解して欲しいですね・・・ いちカメラファンとしてそんな事を感じています。D4 5D2 α99を使用している相方にも一週間程貸して感想を聞いてみましたが、「廉価フルサイズのマーケティングを極めるとこうなるの?」と言っていて、妙に納得しました。 

マーケティングを極めた結果、エントリーフルサイズ機は6Dのスペックが一番売れる&利率が良いとキヤノンは判断したのでしょうが・・・ カメラを使う側が少しでも楽になる配慮がもう一歩欲しかったと感じています。結論として、6Dは静物専用のカメラという印象が拭えません。自分は5Dmark3のサブ機として利用しているので、6Dにとてもとても満足していますが、メインカメラとして使う事を考えると、昨今静物のみ撮影するカメラマンも少ないでしょうから・・・

要するに他の全てに目を瞑ったとしても、全点クロスセンサー(F5.6クロス)は積めたのではないか、そう言いたくなるのです。他マウントと違い、AFシステムに特化して築かれて来たEF-EOS機だからこそ、そんな我侭を言いたくなる次第です。でも・・・・・色々気にせずに兎に角撮る事が一番かもしれませんね(笑)




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